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2019年3月24日日曜日

人物払底を嘆く3

そして平沼はーー
「狡猾……彼は自分の気持は現さずに、只陸軍の意を迎へる様なことを云う……結局二股かけた人物」(天皇)
「原田がしょっちゅう怒っていたよ、不作為の行為をする奴だって。ともかく黙って聞いておって、自分に都合がいいとイエスという、都合が悪いと返事をしない、賛成したのか反対したのかわからんといったような男だ」(木戸)

人物払底を嘆く2

また、近衛について天皇は、「確乎たる信念と勇気とを欠いた」、「聞き上手で実行しない」(木下道雄『側近日誌』)という。

人物払底を嘆く

「(松岡は)他人の立てた計画には常に反対する、又条約などは破棄しても別段苦にしない、特別な性格を持つてゐる。……こんな大臣は困るから私は近衛に松岡を罷め(させ)る様に云つた」(天皇)

2018年12月13日木曜日

暴戻なる第二十九軍の挑戦に基因して

いまや北支に事端を生ぜり。わが関東軍は多大の関心と重大なる決意を保持しつつ厳に本事件の成行きを注視す。

昨夜七月七日午後十時半ごろ、北平の南に位置する盧溝橋付近で一発の銃声がまず鳴り響いた。
『満州国演義』

2018年11月25日日曜日

朝飯前の首都攻略

またわが軍のラングーン入城が、市民の歓呼に迎えられ、あたかも凱旋部隊のごとくに待遇されたことは、将兵が眉に唾をして真偽を疑うほどの事態であったが、真相は、西洋人を駆逐した東洋友邦の威力に対する敬愛の民族心理にほかならなかった。
『帝国陸軍の最後』

2018年11月24日土曜日

内地時間で午後四時十二分(現地時間五時四十分ごろ)、

旗艦「鳥海」のマストに三川中将訓示の信号が掲げられた。「帝国海軍ノ伝統タル夜戦二於テ必勝ヲ期シ突入セントス。各員冷静沈着克クソノ全力ヲ尽クスベシ」
『ガダルカナル戦記』

そのとき、地を揺るがす新しい物音が

聞こえてきました。気がつくと、戦車(水陸両用戦車)が退(さが)る敵を逃がしてなるかとばかり迫っているのです。敵は戦車まで上陸させていたのかと、またしてもショックでした。一時は自殺も考えましたが、爆薬も手榴弾も、すでに身に帯びていませんでしたし……。友軍がすっかり去ってしまってからも、私は、累々と横たわる戦友の屍と一緒に、地べたに長くなっていました。
『ガダルカナル戦記』